初恋
「レイス…」 「いつも、私を見つけてくれるのね」 「雨が落ちてきそうだから。僕らの庭園の中に は、雨が美しく見える場所が、いくつかある 幼い頃から、君はここが好きだった」 「ライリー…もう十分に待ったわ、私。返事を 聞かせて」 「あの話か…わかって…
「今晩は、ライリー」 「最高の美女が登場。約束通り、来てくれたん だね、アマンダ。遠い所をすまない」 「隣家だけど。お金持ちは皆、因果な家を持つ のねえ。敷地が広すぎるのよ。 久しぶりだから、道に迷ったわ」 「人の事を、とやかく言えるのかね。君…
「このドレスに着替えて、ジニー。 つなぎ姿で、パーティーに潜り込むわけには いかないからね」 「持ってきてくれたんですか?わざわざ…」 「帽子以外は、楽なものだったよ。潰れていな ければ、いいんだけどね。女性の帽子だけは どうにも苦手だ」 「サン…
「ジニー…ジニー!」 「ふあぁ…うーん…」 「良かった、生きてる…ジニー、ジニー、ホラ 起きて起きて」 「うーん…う…ん?あ…れ?」 「もう、さすがに起きなさい。午後1時半を とっくに過ぎてるよ」 「あなたって…あ…遊園地の…え…サンディ!」 「覚えておいて…
「バービー・ティファニーさん。 続きをお願いします」 「私達は、普通の恋人達が行く所にも、行き ました。映画、お食事、イベントとかも。 でも、ダメなんです。落ち着かなかった。 大学の中じゃないと、私達はいられない」 「なぜです?」 「なぜでしょう…
バービー・ティファニーさん、 話の続きをお願いします。 「次の日は吹雪でした。風が強くて、雪の花 が美しかったわ。星の様な、きらめく結晶 が、頬や髪に触れました。 私は寒さを避ける為に、キャンパス内にあ る書店に入りました。いくら立ち読みして い…
「本日は、バービー・ティファニーさん に来ていただきました」 「こんにちは、ティファニーです。何を 話せばいいのか、全然、わかりません」 「じゃあ、初恋の話なんて、いかがですか」 「少々、不気味な話になりますけど」 「初恋が?不気味?」 「以外と…